こんにちは、だつりょくまんです。前回は、各所得金額の計算について、書いてきました。
今回は、損益通算と損失の繰越控除について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう。
【損益通算のしくみ】
損益通算と対象になる損失
損益通算とは、所得に生じた損失(赤字)を、他の所得の利益(黒字)と相殺させることをいいます。ただし、先に説明した10種類の所得のうち、損益通算ができるのは以下4つの所得に生じた損失です。これらの所得は、1年間で赤字となった場合、その金額を他の黒字の所得から差し引くことができます。
損益通算できる損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得
※損益通算は、青色申告、白色申告のどちらの場合でもできます。
損益通算の対象とならない損失
不動産所得と譲渡所得には、他の所得と損益通算できない損失があります。
損益通算できないケース
①不動産所得の損益通算できないケース
・土地を取得するための借入金の利子
→建物取得のための借入金の利子は損益通算が可能
②譲渡所得の損益通算できないケース
・土地・建物(賃貸用など)等の譲渡損失
→一定の要件を満たす自己の居住用財産は損益通算が可能
・生活に通常必要ではない資産の譲渡損失
→資産例=ゴルフ会員権、別荘、貴金属(1個ないし1組30万円超)など
・株式等の譲渡損失
→上場株式等の譲渡損失については、申告分離課税を選択した配当所得、利子所得と損益通算が可能
・生活用動産(家具、衣類、自家用車など)の譲渡損失
→生活用動産の譲渡は所得税が非課税のため、他の所得と損益通算できない
損益通算の順序
損益通算には順序があります。所得を以下の3つに分けて、手順に沿って損益通算を行います。
他の所得と損益通算できないケースでも、同一所得の範囲内であれば赤字と黒字を相殺することができます。これを内部通算といいます。
損益通算における所得の区分
・経常的な所得(通常発生する所得)
→利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得
・一時的な所得
→譲渡所得、一時所得
・上記以外の所得
→山林所得、退職所得
損益通算の手順
①経常的な所得内と一時的な所得内でそれぞれ損益通算を行う。
・不動産所得と事業所得の損失は、経常的な所得のほかの所得の黒字から差し引く。
・一時的な所得は、まず譲渡所得で内部通算を行い、残った損失は一時所得から差し引く。
②経常的な所得と一時的な所得とで損益通算を行う。
・経常的な所得の損失が残った場合、一時的な所得から差し引く。
・一時的な所得の損失が残った場合、経常的な所得から差し引く。
③上記の①と②を行ってまだ損失が残っている場合、または山林所得の損失がある場合は損益通算を行う。
・①と②を行って、まだその金額(総所得金額)に損失がある場合、山林所得、退職所得の順に差し引く。
・山林所得が赤字の場合、その赤字を計上的な所得、譲渡所得、一時所得、退職所得の順に差し引く。
※一時的な所得内での損益通算は、総合課税となる長期譲渡所得、一時所得それぞれ、1/2にする前の金額が対象です。損益通算の結果、これらの所得が黒字であれば、その1/2の金額が総所得金額に加算されます。
【損失の繰越控除】
純損失の繰越控除
損益通算をしても引ききれない損失を純損失といいます。青色申告をした年の純損失は、損益発生の翌年以降、3年間にわたって繰り越すことができます。これを純損失の繰越控除といいます。
株式等の譲渡損失の損益通算と繰越控除
上場株式等を譲渡して損失が発生した場合、申告分離課税を選択したほかの上場株式等の譲渡益や上場株式等の配当所得、特定公社債の利子や譲渡損益・償還損益との間で、損益通算ができます。また、損失が残った場合、損失発生の翌年から3年間にわたって繰越控除ができます。
※上場株式等の譲渡損失は、総合課税を選択した上場株式等の配当所得などとは損益通算できません。
上場株式等の譲渡損失は、上記のような損益通算や繰越控除は可能です。しかし、(新)NISA口座(少額投資非課税制度における非課税口座)内で発生した譲渡損失については、その損失はないものとみなされます。したがって、特定口座や一般口座内で生じた配当金や譲渡益と、(新)NISA口座との曽根季通算や繰越控除はできません。
※特定公社債:国債、地方債、外国国債、外国地方債、公募公社債、上場公社債などの債権のことです。
以上が、損益通算と損失の繰越控除についてでした。損益通算は使うべきもの。そして、それでも損失が出てしまった場合は、損失の繰越控除を活用すべし。社会情勢などもあいまってどうしても単年度では赤字が出てしまうこともありますよね。その時にしっかりと制度を知っていれば節税になります。なにごとも学ぶことから始まります。
では、まったり~!