こんにちは、だつりょくまんです。前回は、法人税等について、書いてきました。
今回は、消費税について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう。
【消費税の基礎】
消費税とは
消費税とは、モノやサービスの購入に対して課される税金です。また、消費税は税金を負担する人と納める人が異なる間接税となります。
課税対象となる取引
消費税の課税対象となる取引は、以下の4つの要件を満たした取引となります。それに該当しない取引は消費税のかからない不課税取引となります。
①日本国内において行われる取引
②事業者が事業として行う取引
③対価を得て行う取引
④資産の譲渡や貸付、サービス(役務)の提供
→これらの要件を満たさない取引=不課税取引(配当金、保険金、寄附金、祝金など)
ただし、課税対象となる4つの要件を満たしている取引であっても、消費税のかからない取引(非課税取引)があります。消費税を課すことがなじまない取引などが該当します。
非課税取引となる主なもの
〇税の性格上、課税対象とならないもの
・株式、公社債などの譲渡
・商品券、郵便切手、印紙などの譲渡
・生命保険料、損害保険料、保証料
・行政手数料
・土地の譲渡
〇社会政策的配慮に基づくもの
・社会保険医療の給付等
・出産費用
・埋葬料、火葬料
・一定の学校の授業料、入学金
・住宅の貸付(貸付期間1か月以上)
→事務所用(テナント)の店舗貸付や住宅の譲渡は課税取引
※消費税の課税取引の要件を満たしていない取引を「不課税取引」といいます。対して、課税対象の要件は満たしても、課税対象とならない取引を「非課税取引」といいます。
消費税率
消費税率は10%(国税7.8%、地方税2.2%)です。ただし、一定の食料品や定期購買契約をしている新聞は軽減税率が適用され、税率は8%となります。
【納税義務者】
納税義務者と免税事業者
消費税の課税対象となる取引を行う事業者は、課税事業者(納税義務者)となります。ただし、基準期間における課税売上高が1,000万円以下、かつ、前年の特定期間の課税売上高か、給与等支払額が1,000万円以下である場合には、納税義務が免除され、免税事業者となります。納税義務の判定は、以下の2つの方法によります。
※課税売上高:消費税の課税対象となる取引の売上高。
基準期間による判定
基準期間とは、納税義務の判定の基準となる期間です。個人の場合は、その年の前々年、法人の場合は事業年度の前々事業年度が基準期間となります。
特定期間による判定
消費税の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間における課税売上高が1,000万円超かつ給与等支払額も1,000万円超の場合、課税事業者になります。かつなので、いずれかが1,000万円以下であれば、免税事業者となります。
特定期間とは、法人の場合は前事業年度の前半6か月間、個人事業主なら前年1月1日~6月30日の期間となります。
新規開業における消費税
新たに設立された法人の場合、当初2年間(2事業年度)は基準期間が存在しないため、免税事業者となります。
ただし、資本金額1,000万円以上の新設法人は、この期間(2事業年)については、基準期間がなくても課税事業者になります。
また、新設法人が、第1事業年度は免税事業者であっても、第2事業年度の特定期間の判定により1,000万円を超えた場合は、課税事業者となります。
消費税課税事業者選択届
免税事業者は、「消費税課税事業者選択届出書」を提出すれば、課税事業者になることができます。届出書の提出は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに行います。
また、課税事業者を選択した場合、一部の例外を除き、最低2年間は課税事業者を継続しなくてはなりません。
※課税事業者を選ぶメリットとして、例えば課税売上高よりも設備投資の金額が多かった事業年度は、預かった消費税よりも支払った消費税の方が多くなります。この場合、通常の課税事業者であれば確定申告によって消費税還付を受けることができます。
【消費税額の計算】
税額の計算
消費税の税額の計算方法には、原則課税制度と簡易課税制度の2つがあります。原則課税制度における仕入税額控除は、課税売上割合が95%以上、かつ課税売上高5億円以下の場合に全額適用できます。
原則課税制度の計算式
納付税額=課税売上に係る消費税額ー課税仕入に係る消費税額(仕入れ税額控除)
簡易課税制度は、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の場合に、原則課税制度に替えて選択することができます。
簡易課税制度では、業種に応じた一定のみなし仕入率を用いて、課税仕入れに係る消費税額を計算することができます。
なお、簡易課税制度の適用を受けるには、簡易課税制度選択届出書を提出する必要があります。また、簡易課税制度を選択した場合、原則、最低2年間は継続して適用を受けなくてはなりません。
簡易課税制度の計算式
納付税額=税抜課税売上に係る消費税額ー(税抜課税売上に係る消費税額×みなし仕入率)
みなし仕入率
第1種:卸売業 90%
第2種:小売業等 80%
第3種:製造業、建設業等 70%
第4種:その他 60%
第5種:金融・保険業、運搬通信業、サービス業 50%
第6種:不動産業 40%
※原則課税制度では、課税売上の消費税額から課税仕入の消費税額を控除(仕入税額控除)した残額を納付します。仕入税額控除は、課税売上高が5億円超の場合は、課税売上割合にかかわらず、仕入税額控除を全額差し引くことはできません。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)
2023年10月から、消費税の仕入税額控除を利用できるのは、原則として「適格請求書発行事業者」が発行した「適格請求書」に記載された消費税額だけになります(経過措置あり)。
<適格請求書発行事業者の登録方法と事業者の義務>
〇登録方法
・納税地を所管する税務署長に登録申請をして登録を受ける
・書面による登録申請のほか、e-Taxでの申請も可能
〇事業者の義務
・消費税の課税事業者になる
・発行する適格請求書には、適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号、税率ごとに区分した消費税額など、所定の項目の記載が必要
・簡易課税制度の選択も可能
・相手方から適格請求書の交付を求められて際は、一定の免除や適格簡易請求書を除き、交付する。
経過措置
免税事業者等からの仕入れについて、仕入税額相当額のうち、以下の一定割合を控除できる経過措置があります。
経過措置期間:2023年10月から3年間→控除割合:8割
経過措置期間:2026年10月から3年間→控除割合:5割
このほかに、インボイス制度の実施に伴い、免税事業者から適格請求書発行事業者になった場合の納税に係る事務負担を軽減するために、仕入税額控除の計算をせずとも、売上にかかる消費税額の2割を消費税の納付税額とすることができます。この特例の対象期間は、インボイス制度開始から2026年9月30日を含む課税期間(個人事業者は2023年10月~12月の申告から2026年分の申告まで)です。
【消費税の申告と納付】
消費税の確定申告と納付の期限は、以下のとおりです。個人事業主は、所得税の確定申告とは異なる申告なので注意しましょう。
また、前の課税期間で納めた消費税額(地方消費税額を含まない)が原則、48万円を超える場合、中間申告が必要となります。
消費税の確定申告期限
法人:課税期間(事業年度)終了日の翌日から2か月以内(原則)
個人事業主:課税期間の翌年1月1日から3月31日まで
以上が、消費税についてでした。インボイス制度がはじまったことでいままで消費税の納入を免除されていた中小企業の方が、消費税を払わざるをえない状況となりました。大企業からインボイスに登録していないことによる値下げ圧力をかけてはいけないと通知が出ていますが、どうしても値下げ要求されますよね、、、。うまく制度を理解しないと損が出そうな感じです。
では、まったり~!