こんにちは、だつりょくまんです。前回は、不動産の基本について、書いてきました。
今回は、不動産の取引について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう
【宅地建物取引業法】
宅地建物取引業
以下の不動産の取引を業として行う者を宅地建物取引業者といい、宅地建物取引業の免許が必要となります。
宅地建物の取引とは
・宅地や建物の売買、交換を自らが行う
・宅地や建物の売買、交換、貸借の代理をする
・宅地や建物の売買、交換、貸借の媒介をする
※宅地建物取引業に貸借を自ら行うが含まれていないのは、免許が不要だからです。アパートの大家さんに免許が不要なのはそのためです。
※媒介:第三者の不動産の売買や賃貸借などの契約を成立させること。仲介と同じ意味。
宅地建物取引士
宅地建物取引業を行うには、原則、事務所ごとに従業者5人に1人の割合で成年の専任の宅地建物取引士を置くことが義務付けられています。
宅地建物取引士の独占業務
・重要事項の説明(宅地建物取引士証を提示し、契約前に説明を行う)
・重要事項説明書への記名
・契約内容の記載書面(37条書面)への記名
※宅地建物取引業の免許は、1つの都道府県だけに事務所を置く場合は都道府県知事による免許、2つ以上の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣による免許に分けられています。
媒介契約
宅地建物取引業者は宅地や建物の売買等の媒介の依頼を受けた場合には、依頼者と媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
媒介契約の種類と契約内容
〇依頼者が重ねて複数業者へ依頼する。
一般媒介契約はできるが、専任媒介契約と専属専任媒介契約はできない
〇自己発見取引(依頼者が取引相手を探して直接取引をする)
一般媒介契約と専任媒介契約のみでき、専属専任媒介契約ではできない。
〇契約の有効期間
一般媒介契約はなし。専任媒介契約と専属専任媒介契約は3か月以内
〇業者から依頼者への業務処理状況の報告義務
一般媒介契約はなし。専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上
〇業者による指定流通機構への物件情報の登録義務
一般媒介契約はなし、専任媒介契約は7日以内、専属専任媒介契約は5日以内
※専任媒介契約、専属専任媒介契約における契約の有効期間は最長で3か月と定められています。それを超える契約は、超えた部分が無効となり、3か月の契約となります。また、自動更新はなく、依頼者の申し出があれば更新できます。
宅地建物取引業者の報酬限度額
宅地建物取引業者が依頼者から受け取ることのできる報酬(仲介手数料)には限度額が定められています。
売買・交換の媒介の場合
・取引金額200万円以下
取引金額×5%
・取引金額200万円超 400万円以下
取引金額×4%+2万円
・取引金額400万円超
取引金額×3%+6万円
売買・交換の代理の場合
売買・交換の媒介の場合の2倍(消費税別)
貸借の媒介の場合
原則、貸主と借主の双方から受け取る報酬の合計が借賃の1か月分(消費税別)
【不動産の取引に関する法律】
手付金
手付金とは、一般に不動産の売買契約を結ぶ際に買主が売主に渡すお金のことで、代金の一部です。通常は、解約手付として扱われます。
解約手付を交付した場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍額を現実に提供することで、契約を解除できます。
なお、売主が宅地建物取引業者であり、買主が宅地建物取引業者でない場合、売主は代金の2割を超える手付金を受け取ることはできません。
※解約手付:一度締結した契約を後で解除できる権利を有する手付のことです。
※不動産の売買契約による履行の着手とは、売主であれば所有権移転登記、買主であれば代金の全額または一部の支払いなどです。
危険負担
売買契約の締結後、建物の引渡し前に、その物件が地震や第三者による放火など、買主、売主ともに責任のない不可抗力で契約の目的を達成できないほどの滅失をした場合、買主は代金の支払いを拒むことができ、双方は契約を解除することができます。
契約不適合責任
契約不適合責任とは、売買の目的物について、種類、品質、数量などで契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任(追完、損害賠償など)のことです。
売買契約において、契約目的物の種類、品質に不適合があり、その契約不適合責任を売主に追及するには、原則として、買主はそれを知ったときから1年以内に、その旨を売主に通知する必要があります。
なお、新築住宅の売買および請負契約では、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、構造耐力上主要な部分(壁、柱など)および雨水の侵入を防ぐ部分について、売主等は、建物の完成引渡日から10年間の瑕疵担保責任を負います。
※契約不適合責任は2020年施行の民法改正によって、それまでの瑕疵担保責任に代わって定められた売主側の責任に対する規定です。瑕疵担保責任では認められていなかった追完請求や代金減額請求が、買主の権利として新たに加わり、買主側の保護をより重視した内容となりました。
契約不適合責任における買主の権利
買主は売主に対して、契約不適合責任として、状況に応じて以下の請求ができます。
・追完請求
物件の補修、代替物の引渡しなどを請求
・代金減額請求
追完が不能などの場合に減額を請求
・損害賠償請求
売主が原因で生じた債務不履行による損害の賠償を請求
・契約の解除(催告解除)
購入をやめ、支払った代金の返還を請求
債務と債務不履行
不動産売買契約における債務として、一般に、買主には「土地建物の代金支払債務」、売主には「売買対象である土地建物の引渡債務」「土地建物の所有権移転登記に協力する債務」があります。
債務者が、これらの債務を履行しないことを債務不履行といいます。債務不履行には、履行遅滞、不完全履行、履行不能があります。
債務不履行の分類
・履行遅滞
債務の履行が可能にもかかわらず、決められた期限までに債務の履行がされない場合
債務の履行が形式的にはなされたが、不完全な場合
・履行不能
債務を履行しようにも、その履行が不可能となっている場合
債務不履行が生じたときは、債権者は債務者に対して損害賠償の請求ができます。ただし、債務者に債務不履行において帰責事由(責任を負う事由)があることが、請求の要件となります。
また、相当の期間を定めて履行の催告を行い、期間内に履行がないとき、原則、契約の解除ができます。なお、履行不能の場合は、催告なく直ちに契約の解除ができます。
※債務不履行による契約解除は、損害賠償請求とは異なり、債務者に帰責事由がない場合でも認められます。ただし、債務不履行について債権者に帰責事由がある場合は、契約解除はできません。
共有と持分について
一つの物を複数人で所有することを共有といいます。また、共有している物を共有物、それぞれの人の所有権の割合を持分(または共有持分)といいます。
共有の例として、夫婦がそれぞれ資金を負担して自宅を購入した場合や、不動産が2人以上の相続人によって相続された場合などが該当します。
共有物については、単独で保存行為はできますが、管理行為や変更・処分行為は単独ではできません。
※共有物について、自己が有する持分だけを第三者に譲渡する場合は、他の共有者の同意は必要ありません。
共有物の持分の譲渡と同意
共有者が共有物を第三者へ譲渡する場合、自分の持分だけの譲渡は単独でできますが、共有物すべての譲渡は共有者全員の同意が必要です。
建物の床面積の表示
床面積には、壁の厚さの中心で測った壁芯面積と、壁の内側で測った内法面積があります。登記に使用する場合と、一般に、パンフレット等に記載する場合で使い分けられています。
壁芯面積と内法面積の違い
・壁芯面積
主に、一戸建て住宅の登記の床面積や、区分所有建物(マンションなど)のパンフレット等の床面積で使用される。
・内法面積
主に、区分所有建物(マンションなど)の登記の床面積で使用される。
面積と取引
登記記録上の面積に基づいた取引を公簿取引といいます。公簿取引で契約した場合、契約日以降に実測した場合に、その面積が登記記録と異なっていても、代金の増減精算は発生しません。
対して、実際に測定した面積に基づいた取引を実測取引といいます。実測取引は、契約日以降の実測がその面積と異なっていれば、代金の増減精算が行われます。
未成年者による売買契約
未成年者(18歳未満)が不動産取引の契約を締結するには、法定代理人(原則、親権者)の同意、もしくは法定代理人による手続きが必要となります。また、未成年者が単独で行った場合、本人または法定代理人は、原則、その契約を取り消すことができます。
以上が、不動産の取引についてでした。宅地建物取引業をとらないといけないということは、宅建士やFPの資格勉強をはじめて知りました。いろいろな規制があるからこそ、安心して契約できる形になっているのですね。まだまだ家賃交渉をするときの余地は十分にありますが、、、。
では、まったり~!