こんにちは、だつりょくまんです。前回は、贈与税について書いてきました。
今回は、財産の評価について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう!
【相続税法における財産評価の原則】
相続税法では、財産評価の原則として、相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は、財産取得時の時価によるとされています。なお、財産評価基本通達では、「時価」とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額とされています。
ただし、地上権及び永小作権、配偶者居住権等、定期金のの権利、立木については評価方法を個別に規定しています。
【宅地の評価】
土地の評価は地目(土地の用途)によって異なり、宅地、田、畑、牧場、山林などに分かれています。宅地は建物の敷地として用いられる土地で、評価は一画地(利用単位)ごとに行い、評価方法には路線価方式と倍率方式があります。
宅地の評価方法
宅地の評価には路線価方式と倍率方式があり、どの宅地をどちらの方式で評価するのかは、国税庁が定めています。
路線価方式
路線価が定められた市街地にある宅地の評価方法です。路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額のことです。千円単位で表示します。
倍率方式
路線価が定められていない、郊外地にある宅地の評価方法です。土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。
路線価方式の具体的な計算方法
〇一方が道路に面している場合
路線価×奥行価格補正率×地積(宅地面積)
※奥行価格補正率:宅地の奥行が極端に短かったり、長い場合は利用用途が限られるため、宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率で調整します。
〇正面と側方が道路に面している場合
1、正面路線価×奥行価格補正率
2、側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
3、(1の金額+2の金額)×地積
〇正面と裏面が道路に面している場合
1、正面路線価×奥行価格補正率
2、裏面路線価×奥行価格補正率×二法路線影響加算率
3、(1の金額+2の金額)×地積
地積規模の大きな宅地の評価
面積が広いものの、指定容積率が小さい場合に適用され、適用しない場合に比べて評価額が低くなります。
・面積要件
三大都市圏:500㎡以上、その他:1,000㎡以上
・指定容積率要件
400%(東京都特別区は300%)未満
宅地の分類と評価
宅地は主に、以下の5つに分類して評価されます。
①自用地
土地の所有者が自分のために利用している土地のこと
②借地権
建物の所有を目的に他人から土地を借りる権利
③貸宅地
借地権が設定されている土地のこと
自分の土地にアパートなどを建てて他人に貸している場合の土地のこと
⑤貸家建付借地権
借地の借主がアパートなどを建てて他人に貸している場合の借地権のこと
自用地の評価
面積は同じでも、縦長だったり、横長だったりと、宅地の形状は様々です。ウナギの寝床のよう間口が狭く細長い宅地は利用しづらいので、それらを一様に、路線価×地積(宅地面積)=評価額と計算するのではなく、奥行価格補正率を乗じて評価額の補正を行います。
自用地の評価額=路線価×奥行価格補正率×地積
※自用地:相続税において自宅の土地、青空駐車場、使用貸借で貸している土地を評価する場合等に用いられます。
普通借地権の評価
土地の権利には所有権と借地権があります。土地も家も所有している自用地の場合、所有権は100%となります。一方、他人の土地を借りて家を所有する場合は借地権となり、路線価図ではその割合を90%のAから30%のGまで10%刻みの7段階で示しています。
普通借地権の評価額=自用地評価額×借地権割合
貸宅地の評価
借地権が借りている土地の権利の評価なのに対して、貸宅地は貸している土地の評価のことです。自分の土地から借地権割合を差し引くことで、評価額を計算できます。
貸宅地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)
貸家建付地の評価
自分の土地に建物を建てて貸している場合の土地の評価です。借地権割合は土地を借りる側の権利の割合なのに対して、借家権割合とは、建物を借りる側の権利の割合のことで、全国一律で30%と決められています。賃貸割合とは、全体の住戸のうち実際に貸している床面積の割合のこと。満室の場合は賃貸割合が100%になります。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合(30%)×賃貸割合)
貸家建付借地権の評価
貸家建付借地権とは、土地を借りている人がアパートなどの貸家を建てて賃貸している場合の、借りている土地の権利の評価です。
貸家建付借地権の評価額=自用地評価額×借地権割合×(1-借家権割合(30%)×賃貸割合)
家屋の評価
固定資産税評価額に基づいて、家屋の価額を求めることができます。自分の家の場合は固定資産税評価額=自用家屋の評価額になります。建築中の家屋の場合は、その家屋の費用現価の70%に相当する金額によって評価します。一方人に貸している場合は借家権割合と賃貸割合を乗じた価額を差し引くことで、算出します。
自用家屋の評価額=固定資産税評価額×1.0
貸家の評価額=固定資産税評価額×1.0×(1-借家権割合(30%)×賃貸割合)
小規模宅地等の評価減の特例
被相続人の住居や事業用の土地に高額な相続税がかかると、相続人がそれらの財産を引き継ぐことができなくなってしまいます。そこで、一定要件を満たした宅地については、評価を減額してくれる小規模宅地等の特例があります。
小規模宅地等の評価減の特例
〇居住用
利用区分:特定居住用宅地等
限度面積:330㎡
減額割合:80%
〇事業用
利用区分:特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等
限度面積:400㎡
減額割合:80%
〇貸付用
利用区分:貸付事業用宅地等
限度面積:200㎡
減額割合:50%
特定居住用宅地等の要件
被相続人または被相続人と生計を共にしていた親族の住居であるほか、以下のいずれかの要件に当てはまる宅地。
・被相続人の配偶者が取得した宅地
・被相続人の同居親族が取得した宅地で、申告期限まで所有し、住み続けていること。
・被相続人に配偶者も同居する相続人もいない場合、相続開始前の3年以内に自己、自己の配偶者等の所有する家屋に住んでいない者が所有し続けていること
・被相続人と生計を共にしていた親族の居住用宅地等をその親族が取得し、申告期限まで所有し、住み続けていること。
※ただし、区分所有登記がされている建物の宅地は原則除きます。
特定事業用宅地等、貸付事業用宅地等の要件
被相続人または被相続人と生計を共にしていた親族が事業をしていた宅地であるほか、以下のいずれかの要件にあてはまる宅地。
・被相続人の事業用の宅地を、事業を引き継いだ親族が取得し、申告期限まで所有し続け、その事業を継続していること。
・被相続人と生計を共にしていた親族がその事業用の宅地を取得し、申告期限まで所有し続け、その事業を継続していること。
3年ルール
特定事業用宅地等および貸付事業用宅地等において小規模宅地等の特例の対象から、原則、相続開始前3年以内に事業の用に供されたもの、貸付事業の用に供されたものは除かれます。
面積調整
・特定居住用宅地等と特定事業用等宅地等(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)は完全併用可能。その場合、330㎡+400㎡で限度面積が合計730㎡になる(面積調整不要)。
・貸付事業用宅地等とそれ以外の宅地の併用の場合、一定の面積調整が必要。
【株式の評価】
相続や贈与される財産には株式も含まれます。株式には上場株式と取引相場のない株式があり、評価額の算出方法が異なります。
上場株式:証券取引所に上場されている株式のこと
取引相場のない株式:上場されていない非上場株式のこと
上場株式の評価
相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日の、金融商品取引所が公表する最終価格を含めて、次の4つのうち最も低い価額により算出します。
①課税時期の終値(最終価格)(被相続人の死亡日、あるいは財産取得の日)
②課税時期の当月の終値平均額
③課税時期の前月の終値平均額
④課税時期の前々月の終値平均額
取引相場のない株式の評価
取引相場のない株式は、原則的評価方式または特例的評価方式の配当還元方式により評価します。
原則的評価方式
同族株主等が取得する場合、評価する株式を発行した会社の規模によって異なり、原則、類似業種比準方式、純資産価額方式、併用方式によって評価します。
特例的評価方式
同族株主等以外が取得する場合、その株式の発行会社の規模にかかわらず、原則配当還元方式で評価します。
取引相場のない株式の評価方法
〇原則的評価方式
・類似業種比準方式
類似業種の上場企業の株価をもとに、1株あたりの配当金額、利益金額、純資産価額の3要素を比較して評価する
・純資産価額方式
課税時期の相続税評価額による純資産価額をもとに、法人税額等相当額(含み益の37%)を差し引いた残りの金額で評価する。
・併用方式
類似業種比準方式と純資産価額方式の併用で評価する
〇特例的評価方式
・配当還元方式
配当実績をもとに評価する。過去2年間の配当平均額を一定の利率(10%)で還元して評価する。
特定評価会社の株式の評価
取引相場のない株式のうち、類似業種比準方式での評価が適さない会社を、特定評価会社といいます。その評価は原則、純資産価額方式で行います。
【その他の財産の評価】
預貯金等の評価
定期預金等の評価額
預入残高+源泉所得税相当額控除後の経過利息
外貨預金等の価額の円貨換算
外貨から円貨への換算
原則、取引金融機関が公表する課税時期における、最終の対顧客電信相場(TTB)またはこれに準ずる相場
公社債の評価
上場利付公社債の評価額
(課税時期の最終価格+源泉所得税相当額控除後の経過利息)×券面額÷100円
個人向け国債の評価額
額面金額+既経過利子額-中途換金調整額
生命保契約に関する権利の評価
まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額:原則、相続開始時点の解約返戻金相当額
ゴルフ会員権の評価
取引相場のある会員権
原則、課税時期の取引価格×70%相当額
以上が、財産の評価についてでした。財産の評価方法などを見ていると、五いざ相続をするとしたときの計算は素人ではできませんね。うまく専門家に頼むのも一つかもしれませんね。
で、まったり~!