こんにちは、だつりょくまんです。前回は、債券について、書いてきました。
今回は、株式について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう!
【株式】
株式とは
株式とは、一般的には株式会社が資金を調達するために発行する有価証券のことです。株式を発行して得た資金は、銀行からの借入金や社債発行で得た資金とは違い、企業には返済の義務はありません。その代わり、株式を購入して資金を出してくれた株主に対して、様々な還元をします。
FPが株式を説明するときは投資先商品の意味で使うことが多いのですが、本来株式を有する株主は出資者=会社の所有者で、株主総会は会社の最高意思決定機関です。経営者に対して意見をしたり、出資比率を増やして経営に参加していくといった一面も併せ持っています。
主な株主の権利
・経営参加権
株主総会で議決権を行使できる権利
・剰余金配当請求権
会社の剰余金(利益)から、配当を受けることができる権利
会社が解散する際、負債を返済した後、財産が残る場合、株主はその持ち株数に応じて残った財産の分配を受けることができる権利
株式の売買単位
通常の株取引で売買される売買単位のことを、単元株といいます。日本株の単元株の株数は、100株です。実際の取引は、単元株の整数倍で行われ、売買は100株、200株、300株・・・となります。
・株式累積投資と株式ミニ投資
証券会社が個人向けに提供している株式累積投資(るいとう)と株式ミニ投資は、単元株未満で株式の売買ができるサービスです。
株式累積投資:毎月、一定額ずつ積立方式で購入する
株式ミニ投資:通常、1単元の10分の1の単位で売買する
ドルコスト平均法とは、一定の金額で、同じ金融商品を買い続ける投資方法です。株式のように、価格の変動幅が大きい金融商品に対する投資リスクを抑制する効果があります。
株式は、通常、証券取引所を通じて売買されます。東京証券取引所(東証)は3つの市場区分があります。東京証券取引所以外に、名古屋・札幌・福岡にも証券取引所があります。
・プライム
グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向け
・スタンダード
公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向け
・グロース
高い成長可能性を有する企業向け
株価のしくみ
取引される株の価格(株価)には、以下のように4つの種類があります。
・始値
最初に取引された価格
・終値
最後に取引された価格
・高値
最も高く取引された価格
・安値
最も安く取引された価格
※4つの株価を四本値といいます。
ローソク足とは
ローソク足とは、株価の動きを時間の経過に沿って図で表したものです。形がローソクに似ていることから、ローソク足と呼ばれており、四本値を表しています。
株価が値上がりしたときは陽線、値下がりしたときは陰線となります。ローソク足を並べてグラフにしたものを株価チャートといいます。
【株式の取引】
株式の取引について
注文方法
証券取引所に上場している株式は、証券会社を経由して、取引所で売買が行われます。株式の注文方法には、指値注文と成行注文の2種類があります。
・指値注文
売買価格を指定して(指値)注文する方法。指定した価格でのみ買いたいor売りたい
・成行注文
売買価格を指定しないで注文する方法
取引所の注文ルール
証券取引所で売買をする場合、取引に関しては以下のルールがあります。
・成行注文優先の原則
指値注文より、成行注文の方が優先される。
・価格優先の原則
1つの銘柄に、複数の指値注文がある場合、買い注文は最も高い価格が優先され、売り注文は最も低い価格が優先される。
・時間優先の原則
1つの銘柄に、同じ条件で複数の注文がある場合、注文時間の早い注文が優先される。
※指値注文でも、指定した価格よりも有利な価格で売買が成立する場合があります。
株式の受渡し
株式の売買が成立した日を約定日といい、売買の決済をする日を受渡日といいます。受渡日は約定日から起算して3営業日後(つまり約定日から2営業日後)で、買い注文の場合は購入代金を支払い、株式を受け取り、売り注文の場合は株式を引き渡して売却代金を受け取ります。
※株式の配当金や株主優待を受け取るには、配当金や株主優待の権利が確定する権利付最終日までに購入する必要があります。権利付最終日とは、権利が確定する権利確定日から起算して3営業日から起算して3営業日前、つまり権利確定日の2営業日前になります。
信用取引
信用取引とは、現金や株式を証券会社に担保として預けて、証券会社から資金や株式を借りて株式の売買を行うことです。担保とする現金や株式は委託保証金といいます。
委託保証金と委託保証金率
信用取引において、取引金額に対して必要な委託保証金の割合を委託保証金率といいます。例えば、委託保証金率が30%の場合、100万円の買い(売り)を行うには、30%に相当する30万円(最低30万円)の委託保証金を、証券会社に預けることが必要になります。
※委託保証金が、最低委託保証金維持率に相当する金額を下回ってしまった場合、追証と呼ばれる追加の保証金が必要になります。
信用取引の種類には、制度信用取引と一般信用取引の2つがあります。
対象銘柄や決済期限など、証券取引所のルールに基づいて行われます。ただし、決済期限は最長6か月と定められています。
証券取引所に上場している銘柄を対象としますが、取引のルールは証券会社と投資家で合意したものとなります。したがって、決済期限を無期限とすることも可能です。
※一般信用取引の建株(未決済の株)を制度信用取引の建株に変更することも、その逆もできません。
信用取引の決済方法
信用取引は、証券会社から資金や株式を借りて売買をするので、返済期限までに決済(=返済)をする必要があります。決済方法には、反対売買による差金決済と、株式を使ったものがあります。
・差金決済
信用取引で買った株式を売却、または、売った株式を買い戻します。損失が発生した場合に金額分を返済します。利益が出ていれば支払いの必要はありません。
・株式を使った決済
①買いの決済方法
→購入した株式を売却せず、証券会社から借りた資金を返済して、株式を保有する。現引きといいます。
②売りの決済方法
→売却した株と同じ銘柄の同じ株数を証券会社に渡して、売却した代金を受け取る。現渡といいます。
株式の指標
株式の指標には、市場の状況を表すものや、個別銘柄の株価の水準を表すものなど様々な指標があります。
株式市場全体の動向を表す指標
株式市場全体の動向を表す代表的な指標は、日経平均株価(日経225)と東証株価指数(TOPIX)、東証プライム市場指数です。
・日経平均株価(日経225)
対象銘柄:代表的な225銘柄
内容:指数の連続性を保つために、個別銘柄の株価を修正した修正平均株価
特徴:株価の水準が高い銘柄である値がさ株の影響を受けやすい
対象市場:東証プライム市場
対象銘柄:内国普通株式の全銘柄で、原則流通株式時価総額100億円以上の銘柄。2025年1月までに段階的に移行していく
内容:株価×株式数で求められる時価総額を基準とした浮動株時価総額型
特徴:時価総額の大きい大型株の影響を受けやすい
対象市場:東証プライム市場
・東証プライム市場指数
対象銘柄:プライム市場に上場する内国普通株式全銘柄
内容:株価×株式数で求められる時価総額を基準とした浮動株時価総額型
特徴:時価総額の大きい大型株の影響を受けやすい
対象市場:東証プライム市場
JPX日経インデックス400(JPX日経400)
年金などを運用している機関投資家が注目している株式市場の指標です。
対象銘柄:東証に上場する、一定の基準を満たした400銘柄
内容:主な基準としては、過去3期以内に債務超過がない、過去3期連続の営業赤字がない、売買代金と時価総額、3年平均ROE(自己資本利益率)など
特徴:資本の効率的活用や株主を意識した経営など、投資家にとって魅力が高いと考えられる400社から構成されている
対象市場:東京証券取引所の全市場
米国株式市場の指標
・NYダウ(ダウ工業株30種平均)
ニューヨーク証券取引所、ナスダックに上場している銘柄から優良銘柄30種を株価平均型で算出した株価指数です。
・S&P500
ニューヨーク証券取引所、ナスダックに上場している中から代表的な500銘柄を時価総額加重平均で算出した株価指数です。
・ナスダック総合指数
米国の新興企業を中心としたナスダック市場の全銘柄を時価総額加重平均で算出した株価指数です。
売買高
売買高は、証券取引所で売買が成立した株式数のことで株式市場の活況度を表す重要な指標です。出来高ということもあります。
※取引が成立した代金の総額は、売買代金といいます。
個別銘柄の指標
個別銘柄の株価の水準を表す指標には、様々なものがあります。その中でもよく使われる株式収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)、自己資本利益率(ROE)、自己資本比率、配当利回り、配当性向について解説をします。
①株価収益率(PER)
PERは、株価が1株当たり純利益の何倍になっているかを表します。1株当たり純利益はEPSと呼ばれます。
PER(倍)=株価÷1株当たり純利益(EPS)
・一般的、PERが高い銘柄は割高、低い銘柄は割安といわれます。
②株価純資産倍率(PBR)
PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍になっているかを表します。1株当たり純資産はBPSと呼ばれます。
PBR(倍)=株価÷1株当たり純資産(BPS)
・一般的に、PBRが高い銘柄は割高、低い銘柄は割安といわれます。
・もしPBRが1倍未満の場合は、株価が会社の解散価値を下回っていることを意味します。
ROEは、自己資本(純資産)に対して、企業がどれくらいの利益をあげているのかをみる指標です。
・ROEが高いほど効率的に利益を上げている、と判断できます。
自己資本比率は、会社のすべての資本(総資産)に対する、自己資本の割合を表します。自己資本とは、株主が出資した資金(≒純資産)のことで、返済不要のお金です。
・一般に自己資本比率が高いほど、財務の安全性が高いと判断されます。
株価(投資金額)に対する配当金の割合を表します。
配当利回り(%)=1株当たりの配当金÷株価×100
・株式の配当金は1株単位で発表されます。
・配当利回りが高いと、一般的に魅力的な銘柄といわれます。
⑥配当性向
企業の税引後当期純利益に対する年間配当金(総額)の割合をみる指標です。
配当性向(%)=年間配当金(総額)÷税引後当期純利益×100
・企業が利益をどれくらい株主に還元しているのかがわかる指標です。
【株式投資に欠かせない決算短信】
決算短信とは、企業の決算内容をコンパクトにまとめたレポートのことです。決算短信には、株価収益率(PER)の算出で使う純利益や、株価純資産倍率(PBR)における純資産など、企業の業績や財務内容が分かる重要な数字が並んでいます。発表と同時に株価が大きく動くことも珍しくなく、株式投資をする人にとっては不可欠な資料となっています。
決算短信のポイントは来期の予想
決算期の売上高や営業利益、経常利益、純利益、純資産といった数字は重要ですが、投資家がより注目するのは、そうした経常利益や純利益の来期の予想です。この予想数値によって、株価が動くことがよくあります。ただし、数字はあとで修正されることがあるため注意が必要です。
※東京証券取引所は上場企業に対して、遅くとも決算期末後45日、できれば30日以内に、決算短信を発表することを要望しています。
決算短信の見方
売上高:売上原価や販売費、一般管理費などを引く前の売上
営業利益:売上高-売上原価-販売費および一般管理費で求める、その会社の本業で上げた利益
経常利益:営業利益+営業外収益-営業外費用で求める利益。営業外収益および営業外費用とは、本業以外の損益のこと
当期純利益:経常利益に、臨時あるいは想定外の損益である特別利益や特別損失を加味した利益から、税金を引いたもの。最終的に会社に残った利益
1株当たり純利益:純利益を発行済株式数で割った数値
自己資本当期純利益率:当期純利益を自己資本(純資産)で割った数値。ROEのこと
純資産経常利益率:経常利益を純資産で割った数値。会社の事業の効率性を表すとされる。
売上高営業利益率:営業利益を売上高で割った数値。会社の事業の収益性を表すとされる。
配当性向:会社が当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標で、1株当たり配当金を1株当たり当期純利益で割った数値
連結業績予想:会社側が予想している来期の業績。投資家が最も注目している数値
以上が、株式についてでした。投資は難しい。その中でも株式投資は最低限の知識がないと大変な目にあいます。新NISAも始まったため、今一度見てみてはいかがでしょうか?
では、まったり~!