こんにちは、だつりょくまんです。前回は、貯蓄型金融商品について、書いてきました。
今回は、債券について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう!
債券とは、発行者(国、地方公共団体、企業)が資金を借りる際に発行する借用証書(国債、地方債、社債)です。
債券や株式等を合わせて有価証券といいます。
【債券の基礎知識】
債券は、償還期限(満期)まで保有すると額面金額で償還(返済)されます。また、償還前に時価(売却価格)で換金することもできます。
債券の発行時には額面金額ではなく発行価格で、途中購入の場合は時価(購入価格)で取引されます。
額面金額100円に対して、発行価格が100円の場合をパー発行、100円より高い場合をオーバーパー発行、100円より安い場合をアンダーパー発行といいます。
債券には定期的(年2回、または1回)に利子が付く利付債と、利子はない代わりに額面金額から利子相当分を割り引いた価格で発行(アンダーパー発行)され、満期時には額面で償還される割引債があります。利付債において、額面に対して1年間にどれくらいの割合の利子が支払われるかを示したものを表面利率(クーポンレート)といい、%で表示されます。
※額面金額:債券の券面に記載された金額。債券の最低申込単位。
※発行価格:額面金額100円当たりで表示される。
※償還:債券や投資信託などで、満期が来て投資家に資金が返されること。一般に、債券は額面が償還金で、投資信託では、運用成果に応じて償還金が変わる。
【債券の利回り】
「購入価格」に対する「1年間の収益合計(利子+差益)」の割合を利回りといいます。直接利回り、応募者利回り、所有期間利回り、最終利回りの4つがあります。
利回り(%)=(1年間の収益合計÷購入価格)×100
1年分の利子=額面金額×表面利率
1年当たりの差益=(売却価格-購入価格)÷所有期間
直接利回りと応募者利回り
直接利回り:購入価格に対する年間の利子の割合
直接利回り(%)=表面利率÷購入価格×100
応募者利回り:発行時に購入し、満期まで所有した場合の利回り(単純計算)
応募者利回り(%)={表面利率+(額面金額ー発行価格)÷償還期間}÷発行価格×100
所有期間利回りと最終利回り
所有期間利回り:償還の前に売却した場合の利回り(単利計算)
所有期間利回り(%)={表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有期間}÷購入価格×100
最終利回り:時価で途中購入し、満期まで所有した場合の利回り(単利計算)
最終利回り(%)={表面利率+(額面金額-購入価格)÷残存期間}÷購入価格×100
【社債】
社債は、一般企業が設備投資などの事業資金を投資家から調達するために発行する債券のことです。
企業は社債を発行して投資家に利息を支払い、一定期間後に現金で償還します。つまり社債は「会社の借用書」で、投資家は社債発行企業にお金を貸すということになります。この点で、株式とは大きく異なっています。
社債は事業会社が発行する債券なので、会社の業績が社債の市場価値に影響します。業績が好調な会社の債券は、リスクが少ないために市場価格が上昇(利回りは低下)し、業績が不調な会社の債券は、リスクが高いために市場価格が下落(利回りは上昇)します。
【国債】
国債は、日本政府が発行する債券で、発行額が最も多い債券です。このうち新発10年国債の利回りは、日本の長期金利の指標となっています。通常の国債は債券市場で売買されていて、株式のように値下がりして元本割れする可能性もあります。国債のうち個人向け国債は、中途換金しても元本割れリスクのない国債です。
※長期金利:取引期間1年以上の資金を貸し借りする際の金利。住宅ローン金利の目安になっている。
【個人向け国債】
個人向け国債は、購入者を個人に限定した国債です。国が元本と満期までの利払いを保証し、発行後1年経過後なら換金が可能で、その際は国が額面金額で買い取るため、価格変動リスクや期限前償還リスクがない、安全性の高い債券です。現在は10年変動金利型、5年固定金利型、3年固定金利型の3つが発行されています。
変動10年、固定5年、固定3年の共通事項
利子の受取り:半年ごと(年2回)10年変動の金利も半年ごとに見直し
購入単位:最低1万円から1万円単位(中途換金も1万円単位)
販売価格:額面100円につき100円
償還金額:額面100円につき100円(中途換金も同額)
中途換金:発行後1年経過すれば、いつでも換金可能
発行月:毎月(年12回)
利子への税金:20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉徴収で申告不要。または申告分離課税を選択。証券会社の特定口座で保有できる
変動10年
金利設定方式:基準金利(10年固定利付国債の平均落札価格を基に計算される複利利回りの値)×0.66
固定5年
金利設定方式:基準金利(市場における利回りを基に計算した5年固定利付国債の想定利回り)-0.05%
固定3年
金利設定方式:基準金利(市場における利回りを基に計算した3年固定利付国債の想定利回り)-0.03%
【債券のリスク】
債券にももちろんリスクが存在します。リスクには下記のようなものがあります。
信用リスク
発行体の財務状態の悪化により、運用に損失が生じるリスク。デフォルトリスク、債務不履行リスクともいう。信用できる程度ではなく、信用できない危険度を表すことに注意。
信用リスクが低いほど信用度が高い。信用度が高いほど、みんなが欲しがるので価格が上がり、利回りは下がる。ローリスク・ローリターンの債券(格付けが高い)
信用リスクが高いほど信用度が低い。信用度が低いほど、欲しがる人が少ないので価格が下がり、利回りは上がる。ハイリスク・ハイリターンの債券(格付けが低い)
価格変動リスク
一般に市場金利の動向、経済情勢、発行体の信用状況の変化等により、売却価格が変動するリスクのこと。債券投資における価格変動リスクは、市場金利の変動により再建価格が変動するリスクを指し、金利変動リスクともいう。
市場金利が上昇すると、低い金利で買った債券価格は下落する(価格が下落した債券の利回りは上昇する)
市場金利が低下すると、高い金利で買った債券価格は上昇する(価格が上昇した債券の利回りは低下する)
長期債は短期債より金利変動に伴う価格変動が大きい
流動性リスク
換金したいとき、買い手がいないためにすぐ売れなかったり、希望価格で売れなかったりするリスク
期限前償還リスク
途中償還リスクともいう。償還期日よりも前に償還されることで、予定していた運用収益が確保されなくなるリスク
為替変動リスク
為替レートの変動によって、投資対象である海外の債券や株式の円換算における価格が変動するリスク。外貨建て債券の価格は、通常、為替レートが円安になれば上昇、円高になれば下落する。
カントリーリスク
債券の発行体が属する国の政治情勢や経済情勢などにより発生するリスク
【債券の格付け】
債券の信用リスクの目安になっているのは、民間の格付期間(信用格付業者)が行っている格付けです。
格付けは、債券自体や債券の発行体の信用評価を示したものです。
一般に、格付けBBB(トリプルB)以上の債券を投資適格債券といいます。信用度が最も高い格付けはAAA(トリプルA)です。BBB以上は、信用度が高い(=信用リスクが低い)ので、債券価格が高く、利回りが低い。ローリスク・ローリターンの債券。
格付けBB以下の債券を投機的格付債券(非投資適格債券、投資不適格債券、ハイ・イールド債またはジャンク債)といいます。信用度が最も低い格付けはD(シングルD)で、デフォルト(破産)を表します。BB以下は信用度が低い(=信用リスクが高い)ので、債券価格が安く、利回りが高い。ハイリスク・ハイリターンの債券
以上が、債券についてでした。私自身、外国の債券を所有していました。為替リスクが大きく響いて、約定金額の約8割になった時もありました。最近は、購入時程度まで回復してきていますが、当時はびくびくしながら観察していました。一方、利回りが7%越えと尋常じゃないほどバックがありました。そのため、ハイリスクハイリターンと言えます。当時は、債券のことを勉強せずに利率のみに感銘を受けて購入していました。今後購入する際は、しっかりと格付け等も確認し、他の債券と組み合わせるなどして利益を出していきたいと思います。
では、まったり~!