だつりょくまんのブログ

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【お金の話】損害保険の種類と契約~税金 FP2級試験勉強 資格取得に向けて勉強中!

 こんにちは、だつりょくまんです。前回は、法人契約の生命保険の経理処理について、書いてきました。

 

 今回は、損害保険の種類と契約~税金について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう。

【損害保険の基本】

損害保険の基本用語

保険契約者

 保険会社と契約を結び、保険料支払い義務を負う人

被保険者

 交通事故や火災など、保険の対象となる事故が発生した際、補償を受ける人、その保険の対象となる人

保険の目的

 建物や自動車など保険の対象

保険価額

 保険事故が発生した場合に、被保険者が被る損害を金銭的に評価した最高金額

保険金額

 保険事故が発生した場合に支払われる保険金の最高限度額で、保険の契約段階で決定する

保険金

 保険の対象となる事故が発生した場合に、保険会社から支払われるお金

告知義務

 保険会社が求める項目について、契約者および被保険者が事実を報告する義務

通知義務

 契約内容に一定の変更が生じた場合、契約者および被保険者が保険会社に通知する義務

再調達価額

 保険対象と同等のものを再購入等する場合の金額

時価

 再調達価額から経年・使用分を差し引いて算出した金額 

※保険契約者は契約上の権利と義務があり、保険料を支払う人になります。

※保険価額と保険金額は言葉が似ていますが、意味が違うので注意が必要。

損害保険のしくみ

 損害保険は偶然の事故や災害に備えて、多くの人が保険料を出し合うことで、損害発生時の経済的負担を軽減させるしくみです。損害保険の保険金は、実損額を補てんする実損てん補が一般的であり、時価または再調達価額のいずれかをベースとして、実際に生じた損害に応じて保険金が支払われます。

【損害保険料のしくみ】

損害保険独自の基本原則

 損害保険は、生命保険と同じく、大数の法則と収支相等の原則をもとに成り立っています。損害保険ではさらに2つ、以下の基本原則が加わります。

給付・反対給付均等の原則(レクシスの原則)

 リスクや事故発生率が高ければ、その分、保険料を引き上げられるという原則

利得禁止の原則

 損害を超える保険金の受け取りによって利益を得ることを禁止する原則

※損害保険で実際の損失額を限度に保険金が支払われるのは、利得禁止の原則が働いているためです。

損害保険料の構成

 損害保険の保険料は、純保険料と付加保険料で構成されています。

純保険料

 事故、火災等が発生したときに保険金・給付金として支払う部分。予定損害率をもとに計算

付加保険料

 保険会社が事業を維持するための費用。予定事業費率をもとに計算

【保険金額と保険価額】

保険金額と保険価額

 損害保険の保険金額と保険価額については、以下の3パターンに分けられます。

超過保険

 保険金額が保険価額より大きい場合。超過保険では、損害額が全額支払われます(実損てん補)

全部保険

 保険金額が保険価額と同じ場合。全部保険では、損害額が全額支払われます(全損てん補)

一部保険

 保険金額が保険価額よりも小さい場合。一部保険では、保険価額に対する保険金額の割合によって保険金が削減されます(比例てん補)。

※超過保険でも、利得禁止の原則により、損害額を超えた支払いはされないのが損害保険の特徴です。

【火災保険】

火災保険とは

 火災による建物や家財の損害を補償するのが火災保険です。落雷や台風など、火災以外の自然災害による損害も補償の対象となります。2022年10月以降、新規、および更新後の火災保険契約の最長保険期間が10年から5年へ短縮されました。

※火災保険では住宅総合保険であっても、地震・噴火・津波の損害は補償されません。それらは地震保険に加入することで補償されます。

火災保険の種類

 火災保険にはいくつかの種類があり、掛捨て型が一般的ですが、満期返戻金のある積立型もあります。掛捨て型の一般住宅用には住宅火災保険や住宅総合保険があり、主な補償範囲は次のとおりです。

共通事項(住宅火災保険及び住宅総合保険)

 火災・破裂・爆発、落雷・風災・ひょう災・雪災

住宅総合保険のみ

 水害(水災)、建物外部からの落下、飛来、衝突、盗難

どちらも補償対象外

 地震、噴火、津波

※火災保険では、自宅の敷地内にある自動車は補償の対象とはなりません。自動車保険でカバーする必要があります。

所在地、構造

 住宅用火災保険の保険料は、対象となる住宅用建物の所在地(都道府県)や構造(M構造、T構造、H構造)による区分をして算定します。

保険金の算定方法

 住宅の火災保険金の支払い算定方法は、保険金額(契約時に決める金額)が保険価額の80%以上なら実損てん補、80%未満なら比例てん補になります。

保険金額が保険価額の80%以上

→実損てん補。実際の損害額が支払われる(保険金額を限度とする)

保険金額が保険価額の80%未満

→比例てん補。下記の計算式で保険金が算出され、支払われる。

支払い保険金=損害額×保険金額÷(保険価額×80%)

火災保険金額のうち一部が支払われた場合でも契約は継続され、次の事故が発生しても当初と変わらない補償を受けられますが、火災保険金額の80%など一定額を超える支払いがあった場合には契約は終了します。

失火責任法

 失火責任法によると、軽過失によって火災を起こし、隣家等に損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなくてよいと定められています。ただし、火元の原因になった側の重過失や故意、爆発によって起こった火災の場合には、損害賠償責任が生じます。

※失火責任法は隣家等に対して、損害賠償責任(不法行為責任)を負わなくてよいという法律です。ただし、賃貸住宅などの借家人がアパート、マンション、貸家などを焼失させた場合は、賃貸借契約上の原状回復義務違反となるので、家主に対して損害賠償責任を負います。そのため、別途特約を付けるのが一般的です。

地震保険

地震保険

 地震保険は、火災保険では補償されない地震、噴火、それらを原因とする津波による損害をてん補するための保険です。

地震保険は火災保険に付帯して契約する(火災保険の保険期間の中途でも、原則は付帯することができる)。地震保険には単独では加入できない

・居住用建物と住宅内の家財が補償の対象。1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や美術品等は補償の対象外

地震保険の保険金額は火災保険(主契約)の30~50%の範囲で設定可能。保険金額には上限がある。建物5,000万円、家財1,000万円

・損害の程度に応じて保険金が支払われる。支払われる保険金は損害の程度によって違う。

※火災保険では1個、または1組の価額が30万円等の一定額を超える美術品等を補償対象に加えることができますが、地震保険では対象外です。

地震が発生した日の翌日から10日以上経過した後の損害は、地震保険の補償の対象外です。

地震保険の損害区分と保険金額

全損:地震保険金額の100%(時価額が限度)

大半損:地震保険金額の60%(時価額の60%が限度)

小半損:地震保険金額の30%(時価額の30%が限度)

一部損:地震保険金額の5%(時価額の5%が限度)

地震保険の保険料

 地震保険の保険料は、保険会社による違いはありませんが、対象となる建物の所在地や構造によって変わります。さらに、対象の建物の免震・耐震性能等によって以下のような割引制度があります。

①免震建築物割引

耐震診断割引

③耐震等級割引

④建築年割引

※割引は重複して受けられません。

地震保険の保険料割引制度の割引率は10%から50%まであります。耐震等級割引の3等級、免震建築物割引がそれぞれ50%の割引となります。

自動車保険

自動車保険とは

 自動車に関する事故に備える保険です。自動車保険は、強制加入の自賠責保険と、任意加入の自動車保険(民間保険会社の保険)の2種類があります。

自賠責保険自動車損害賠償責任保険

 自賠責保険は、強制加入の保険です。すべての自動車と原動機付自転車は、自賠責保険に加入することが義務付けられています。自賠責保険は、被害者救済を目的とした保険のため、対人事故(ケガをさせた、死なせた場合)の被害者のみ補償されます。

補償対象

 対人事故のみ補償。死傷した歩行者、相手側の運転者、同乗者、運行供用者以外の家族など。

※被害者のみ補償されます。車の損害、加害者のケガ、死亡は補償されません

保険金の限度額(1名につき)

死亡:最高3,000万円

障害:最高120万円

後遺障害:最高4,000万円

※強制保険である自賠責保険は、対人賠償のみ補償されることをおさえておきましょう。相手の財物や自分側のケガなどについての補償は任意保険に加入する必要があります。

任意加入の自動車保険

 民間の保険会社と契約をする任意加入の自動車保険の補償には、次のようなものがあります。

対人賠償保険

 他人を死傷させた場合、自賠責保険金額を超える部分の損害賠償を補償。

対物賠償保険

 他人の財物(ガードレール、自動車など)を破損させた場合の損害賠償を補償

搭乗者傷害保険

 事故によって運転者、同乗者が死傷した場合の補償

人身傷害補償保険

 自動車事故で死傷した場合、自分の過失割合にかかわらず補償される

無保険車傷害保険

 当て逃げや、事故で死傷した際に加害者側が無保険の場合の補償

車両保険

 自分の車が事故や盗難、当て逃げなどにより損害を受けた場合の補償。特約を付帯しない限り、地震・噴火・津波による損害は補償の対象外

※任意自動車保険の対人賠償保険、対物賠償保険は基本的に他人のみ補償となります。本人、配偶者、子ども、父母などは補償されません。

※人身傷害補償保険では、示談交渉を待たずに保険金が支払われます。契約保険金額を上限とし、実際の損害額に対し、実損分の保険金が支払われます。

無免許運転や飲酒運転は違法であるため、加害者の治療代金や車両の損害などは補償されません。しかし、被害者へは対人賠償保険や対物賠償保険により補償されます。

【傷害保険】

傷害保険とは

 傷害保険とは、身体に傷害を負った場合に通院や入院、手術などにかかる費用を補てんする保険です。補償となるのは、日常生活や就業中の急激かつ偶然な外来の事故による障害になります。

傷害保険の保険料

 傷害保険の保険料は、被保険者の職種により異なります。職種級別A(販売員、教員など)と職種級別B(建設作業者、バス運転者など)に区分され、職種級別Bに該当する職業は、同一補償内容でも職種級別Aに比べ保険料が高くなります。年齢や性別で異なることはありません。

主な傷害保険

普通傷害保険

 国内外を問わず、急激かつ偶然な外来の事故による傷害を補償する。

家族傷害保険

 補償内容は普通傷害保険と同様で、本人と家族を補償する。

国内旅行傷害保険

 国内旅行中の傷害を補償する。細菌性食中毒は補償されるが、地震などは補償されない。

海外旅行傷害保険

 海外旅行中の傷害を補償する。細菌性食中毒は補償され、海外での地震、噴火、津波による傷害も補償される

交通事故傷害保険

 国内外を問わず、運行中の交通乗用具に搭乗中の交通事故、交通乗用具の火災などによる傷害を補償する。

※普通傷害保険は、特約がなければウイルス性の食中毒、細菌性の食中毒は補償の対象外となります。また、自殺、地震、噴火、津波を原因とする傷害も原則、対象外です。

※国内旅行傷害保険、海外旅行傷害保険は飛行機等による目的地への移動だけでなく、自宅から空港などへの移動中も補償対象です。出かけてから帰宅まで補償されると覚えましょう。

※交通乗用具には、電車、自動車、航空機等のほか、エレベーターやエスカレーター等も含まれます。

傷害保険の補償内容(まとめ)※特約がない場合

普通傷害保険

 ケガ(原則)

家族傷害保険

 ケガ(原則)

国内旅行傷害保険

 ケガ(原則)、細菌性食中毒・ウイルス性食中毒

海外旅行傷害保険

 ケガ(原則)、細菌性食中毒・ウイルス性食中毒、地震・噴火・津波によるケガ

※家族傷害保険、交通障害保険の家族とは、人数を問わず、事故発生時の以下を指します。1、本人、2、配偶者、3、生計を一にする同居親族、及び別居の未婚の子

【賠償責任保険】

賠償責任保険とは

 賠償責任保険は、偶然の事故によって他人にケガをさせたり、物が破損したりして、損害賠償責任を負った場合に補償される保険です。賠償責任保険は、主に以下のように分類されます。

個人賠償責任保険(個人賠償責任補償特約)

 個人が、日常生活で他人にケガをさせた、他人の物を壊したなどで、損害賠償責任を負った場合に補償される。

例:ショッピング中に誤って商品を壊してしまった。子どもが野球をしていて民家の窓ガラスを割った。飼い犬が散歩中に歩行者に嚙みついてケガを負わせた。自動車の運転中に、歩行者にケガを負わせた など。

・1契約で家族(本人、配偶者、生計を一にする同居親族、生計を一にする別居の未婚の子)が対象。

・業務中の事故は対象外

・自動車運転による事故は対象外

※個人賠償責任保険は、自動車やバイクの運転に関する賠償責任は補償の対象外となります。

生産物賠償責任保険(PL保険)

 製造・販売した商品によって生じた事故で、損害賠償責任を負った場合に補償される。

例:製造した加湿器から出火して火事になった。防水工事を請け負ったが水漏れにより損害を負わせた。飲食を提供したところ客が食中毒を起こした。

・企業を対象とした保険

・被害者の治療費、慰謝料など企業側の損害賠償責任による負担を補償

※PL保険は、料理店の食中毒、家電製品の欠陥による火災などで、他人に損害を与えた場合の損害賠償責任に備える保険です。

施設所有(管理)者賠償責任保険

 施設の所有・使用・管理、その施設における仕事の遂行に伴って生じた偶然な事故や、その施設外で業務中に生じた事故により、他人の身体、財産に損害を与えた場合の損害賠償責任に備える保険

例:自転車で商品を配達中に通行人にぶつかり、ケガをさせた。店の商品が倒れて、客がケガをした。施設の看板が落下し、歩行者がケガをした。

※施設所有(管理)者賠償責任保険は、自転車デリバリーサービス業務中の事故の損害賠償責任に備えることもできます。

受託者賠償責任保険

 他人から預かった物について紛失・盗難・汚損などがあった場合の損害賠償責任に備える保険

例:美容院でバッグを預かったが紛失した。ゴルフ場で預かったゴルフバッグを汚した。ホテルのクロークでコートを預かったが、取り違えにより紛失した。

労働災害総合保険

 従業員が労働災害を被ったときに、労災保険の上乗せ補償や企業の被用者に対する損害賠償責任に備える保険

例:工場で被用者がケガをした。建設現場で足場崩壊により被用者が死亡した

請負業者賠償責任保険

 工事や清掃などの請負業者が請負業務の作業中に損害を与えてしまった場合の損害賠償責任に備える保険

例:工事中のクレーン車が倒れ近隣の自動車を壊した。ビルの清掃中に客にケガをさせた

企業費用・利益保険

 不慮の事故や災害などにより、自社が受けた被害や逸失利益を補償する保険

例:台風の影響により工場が被害にあい操業が停止した。建物の給排水設備の故障により飲食店が営業停止した。

機械保険

 設計の欠陥、亀裂等の機械的事故、偶発的な事故などにより、機械設備や装置に生じた損害に備える保険。火災による損害は対象外

【個人の損害保険と税金】

損害保険と税金の関係

 損害保険も生命保険同様、保険料の支払い時に所得から控除できる保険と、保険金を受け取ったときに非課税となる保険があります。

※店舗併用住宅は、支払保険料のうち住宅の面積割合の分だけ、地震保険料控除の対象になります。ただし、家屋の90%以上が居住用であれば全額が地震保険料控除の対象となります。

地震保険料控除

 1年間に支払った、契約者本人または本人と生計を一にする配偶者等が所有する自宅建物および家財に付保した地震保険の保険料は、地震保険料控除を受けることができます。

 地震保険の保険期間が数年にわたる契約で地震保険料を一括で支払ったときには、支払保険料をその年数で割った各年分の保険料相当額が地震保険料控除の対象となります。なお、主契約の火災保険料部分は控除対象外です。

所得税:年間払込保険料の全額(最高50,000円)

住民税:年間払込保険料の半額(最高25,000円)

損害保険金の税金

 損害保険の保険金は、損失の補てんを目的とした実損払いのため、非課税が原則です。ただし、傷害保険の死亡保険金、満期返戻金、年金として受け取る保険金は、原則、生命保険の税金と同じ扱いとなります。なお、契約者と被保険者が同一人の人身傷害補償保険の死亡保険金を遺族が受け取った場合、自分(被相続人)の過失相当部分は課税対象です。

【法人の損害保険と税金】

支払保険料の経理処理

 法人が複数年度分の損害保険料を支払ったとき、その事業年度分は支払保険料などの損金に算入しますが、次年度以降の分は前払保険料などの資産として計上します。また、満期返戻金など積立部分がある場合は保険料積立金などの資産として計上されます。

受け取った保険金の経理処理

 法人が契約者で保険料を支払っていた損害保険の保険金は、誰が受け取ったかにより経理処理が異なります。

保険金が従業員の遺族や自動車事故の相手方などへ直接支払われた場合

 保険会社から相手方等へ、直接、保険金が支払われた場合、法人は保険金の受け取りには関わらないので経理処理はしません。ただし、資産計上分があれば、取り崩して損金算入します。

保険金が保険会社から法人へ支払われた場合

 法人が保険金を受け取った場合、保険金の額は雑収入などとして益金に算入され、課税対象となります。ただし、保険料支払い時に前払保険料や保険料積立金など資産として計上している額があり、資産計上した額よりも保険金の方が多ければ差額が益金になります。また、火災保険や自動車保険の保険金で、一定期間内に代替資産を取得した場合、圧縮記帳の適用が認められます。

圧縮記帳

 法人の事業の用に供する建物や自動車、機械設備等の資産が損害を受け、受け取った保険金をそれら資産の改良や、同一種類に区分される代替資産の購入に活用した場合に適用を受けられます。圧縮記帳は、法人税の課税を繰り延べる効果があります。

 

 以上が、損害保険の種類と契約から税金についてでした。損害保険は、受けた損害分を補償するもので、自動車でいえば自賠責保険や任意保険などのことです。損害を受けた以上の補償は基本的にはないため、自分の生活を見てから保険への加入やランクを選びましょう!

 

 では、まったり~!