こんにちは、だつりょくまんです。前回は、住宅金融支援機構法について、書いてきました。
今回は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう。
【景品表示法の基本】
景品表示法とは
景品表示法は、不当景品類及び不当表示防止法の略で、豪華すぎる景品の提供や誇大広告を禁止する法律です。
※景品が豪華すぎると、景品目当てに商品を購入してしまうことがあるかもしれません。また、誇大広告により消費者が誤った判断をしてしまうことがあります。そこで、消費者が不測の損害を被らないように、景品表示法で景品や広告について一定の規制をしているのです。
景品類とは
景品表示法でいう景品類とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が提供する物品、金銭、その他の経済上の利益で、内閣総理大臣が指定するものをいいます。
【不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約】
事業者(不動産業者)は、一般消費者に対して、以下の額を超える景品類の提供をすることはできません。
懸賞により提供する景品類
取引価額の20倍または10万円のいずれか低い額(ただし、提供できる景品類の総額は、懸賞に係る取引予定総額の100分の2以内とする)
懸賞によらないで提供する景品類
取引価額の10分の1または100万円のいずれか低い額
【不動産の表示に関する公正競争規約】
不動産の表示(広告)に関する規制には、以下のものがあります。
広告の開始時期の制限
宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前においては、宅建業法第33条(広告の開始時期の制限)に規定する許可等があったあとでなければ、宅地や建物の内容や取引に関する広告をすることができません。
特定事項の明示義務
一般消費者が通常予期することができない物件の形質や立地等(具体的には下記)については、明瞭に表示しなければなりません。
1、市街化調整区域に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成および建物の建築はできません。」と原則、明示すること(新聞折込チラシ等およびパンフレット等の場合には16ポイント以上の大きさの文字を用いること)
2、建築基準法第42条に規定する道路に2m以上接していない土地については、「再建築不可」または「建築不可」と原則、明示すること
3、建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、その旨を表示し、セットバックを要する部分の面積がおおむね10%以上である場合は、あわせてその面積を明示すること
4、土地取引において、土地上に古家、廃屋等が存在するときは、その旨を明示すること
5、土地の全部または一部が高圧電線路下にあるときは、その旨、そのおおむねの面積を表示すること。この場合において、建物等の建築が禁止されているときは、あわせてその旨を明示すること
6、傾斜地を含む土地であって、傾斜地の割合が土地面積のおおむね30%以上を占める場合(マンション、別荘地等を除く)は、傾斜地を含む旨、傾斜地の割合または面積を明示すること。ただし、傾斜地の割合が30%以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより、土地の有効な利用が著しく阻害される場合(マンションを除く)は、その旨、傾斜地の割合または面積を明示すること
7、著しい不整形画地、区画の地盤面が2段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨を明示すること
8、道路法により道路区域が決定され、または都市計画法の告示が行われた都市計画施設の区域に係る土地については、その旨明示すること
9、建築工事に着手したあとに、工事を相当の期間にわたり中断していた新築住宅・新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期、中断していた期間を明示すること
10、建築条件付土地の取引については、当該取引の対象が土地である旨、当該条件の内容、当該条件が成就しなかったときの措置の内容を明示して表示すること
物件の内容・取引条件等に係る表示基準
物件の内容・取引条件等に係る表示基準には、以下のものがあります。
取引態様
取引態様は、売主、貸主、代理、媒介(仲介)の別を表示する。
交通の利便性
①新設予定の鉄道の駅等やバスの停留所は、当該路線の運航主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる
②電車、バス等の交通機関の所要時間を表示する場合は、
・朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示する。(平常時の所要時間をその旨明示して併記することができる)
・乗換えを要するときは、その旨を明示する(朝の通勤ラッシュ時の所要時間には乗換えにおおむね要する時間を含める)
各種施設までの距離、所要時間
徒歩による所要時間は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示する(1分未満の端数が生じたときは、1分として算出する)
面積
・面積は、メートル法により表示する(1㎡未満の数値は切り捨てて表示することができる)
・建物の面積(マンションの場合は専有面積)は、延べ面積を表示し、これに車庫、地下室等(地下居室は除く)の面積を含むときは、その旨、その面積を表示し、かつ、取引する全ての建物の面積を表示する。ただし、新築分譲住宅、新築分譲マンション等については、パンフレット等の媒体を除き、最小建物面積および最大建物面積のみで表示することができる
物件の形質
・採光および換気のための窓その他の開口部の面積の当該室の床面積に対する割合が建築基準法の規定に適合していないため、居室と認められない納戸その他の部分については、その旨を納戸等と表示する
・地目は、登記簿に記載されているものを表示する。現況の地目と異なるときは、現況の地目を併記する。
写真・動画
・宅地・建物の写真・動画は、取引するものを表示する。
・建築工事の完了前である等により、その建物の写真・動画を用いることができない場合、取引する建物の施工者が過去に施工した建物であり、かつ、次のものに限り、他の建物の写真・動画を用いることができる。この場合、当該写真・動画が他の建物である旨および①に該当する場合は、取引する建物と異なる部位を、写真の場合は写真に接する位置に、動画の場合は画像中に明示する
①建物の外観は、取引する建物と構造・階数・仕様が同一であって、規模・形状・色等が類似するもの
②建物の内部は、写される部分の規模・仕様・形状等が同一のもの
生活関連施設
デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の商業施設は、現に利用できるものを物件までの道路距離または、徒歩所要時間を明示して表示する。工事中である等その施設が将来確実に利用できると認められるものについては、整備予定時期を明示して表示することができる
価格・賃料
・土地の価格については、1区画あたりの価格を表示する(A)。一定の場合には、1㎡あたりの価格で表示することができる
・上記Aの場合、取引するすべての区画の価格を表示するが、分譲宅地の価格については、パンフレット等を除き、1区画あたりの最低価格、最高価格、最多価格帯、その価格帯に属する販売区画数のみで表示することができる。販売区画数が10未満であるときは、最多価格帯の表示を省略できる。
・住宅(マンションは住戸)の価格については、1戸あたりの価格を表示する(B)
・上記Bの場合、取引するすべての住戸の価格を表示するが、新築分譲住宅、新築分譲マンション、一棟リノベーションマンションの価格については、パンフレット等を除き、1戸あたりの最低価格、最高価格、最多価格帯、その価格帯に属する住宅または住戸の個数のみで表示することができる。販売戸数が10戸未満であるときは、最多価格帯の表示を省略できる
・賃貸される住宅(マンションやアパートにあっては住戸)の賃料については、取引するすべての住戸の1か月あたりの賃料を表示する。ただし、新築賃貸マンション・新築賃貸アパートの賃料については、パンフレット等を除き、1住戸あたりの最低賃料、最高賃料のみで表示することができる
・管理費、共益費、修繕積立金については、1戸あたりの月額を表示する。ただし、住戸により金額が異なる場合で、すべての住宅の管理費、共益費、修繕積立金を示すことが困難であるときは、最低額と最高額のみで表示することができる。
住宅ローン等
・住宅ローンについては、次の事項を明示して表示する。
①金融機関の名称・商号(または都市銀行、地方銀行、信用金庫等の種類)
②借入金の利率および利息を徴する方式(固定金利型、変動金利型等の種別)または返済例
・割賦販売の支払条件の金利は実質年率を表示する。アドオン方式による利率(アドオン年率)のみを表示するのはダメ
※アドオン方式:当初の借入金額(元金)×利率×期間で全期間の利息合計を計算し、(元金+利息合計)÷返済回数で利息を計算する方法。実質金利よりも低い利率で表示される。
※一棟リノベーションマンションとは、共同住宅等の1棟の建物全体を改装・改修し、マンションとして住戸ごとに取引するものであって、工事完了前のもの、または、工事完了後1年未満のもので、かつ、当該工事完了後居住の用に供されていないものをいいます。
特定用語の使用基準
事業者(不動産業者)が物件の広告等を行うときに、以下の用語を使用する場合は、それぞれ下記の定義に即して使用しなければなりません。
新築
建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの
新発売
新たに造成された宅地、新築の住宅または一棟リノベーションマンションについて、一般消費者に対し、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと。購入の申込みを受けるに際して一定の期間を設ける場合においては、その期間内における勧誘をいう
ダイニング・キッチン(DK)
台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状、機能を有するもの
リビング・ダイニング・キッチン(LDK)
居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状、機能を有するもの
不当な二重価格表示の禁止
物件の価格、賃料等について二重価格表示をする場合、事実に相違する広告表示または実際のものや他社のものよりも有利であると誤認されるおそれのある広告表示をしてはいけません。
※二重価格表示とは、実際に販売する価格(実売価格)に、これよりも高い価格(比較対照価格)を併記するなどして、実売価格に比較対照価格を付することをいいます。
おとり広告の禁止
下記に該当する表示(おとり広告)は禁止されています。
・物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
・物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
・物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示
以上が、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)についてでした。一般的な商品同様、不動産においても景品表示法があり、消費者が戸惑わないような広告をしなければなりません。
では、まったり~!