こんにちは、だつりょくまんです。前回は、相続税の計算について、書いてきました。
今回は、財産の評価について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張りましょう!
相続税や贈与税を計算するためには、財産を評価する必要があります。宅地の評価方法から見ていきましょう。
※土地は原則として宅地、田、畑、山林などの地目(土地の用途)ごとに評価する。
【宅地の評価】
宅地とは、建物の敷地として用いられる土地をいいます。市街地にある宅地の評価は路線価方式、路線価が定められていない、郊外地や農村部などにある宅地の評価は倍率方式で行います。
路線価方式
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡当たり、千円単位で表示される価格です。
路線価方式の評価額は、路線価に地積(土地の面積)を掛けて算出します。
評価額=路線価×地積(土地の面積)
※路線価図には、各路線上に数字とアルファベットが記載される。数字は路線価(1㎡当たり千円)、アルファベットは借地権割合で、A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%を示す。
倍率方式
その宅地の固定資産税評価額に、一定の倍率を掛けて評価額を算出する評価方法です。
【宅地の分類と評価額】
宅地は次の4つに分類されています。
自用地
土地所有者が、自分で使用している土地を自用地といいます。宅地は、奥行きの長短と地区区分によって利用効率に差があるため、路線価に奥行価格補正率で補正をします。これが宅地の路線価方式の基本式となります。
自用地評価額=路線価×奥行価格補正率×地積
借地権
人から賃借している土地の借地権(土地だけ借りて使用する権利)の評価額は次のとおりです。
借地権評価額=自用地評価額×借地権割合
貸宅地
借地権の目的となっている土地(借地権が設定されている宅地)を貸宅地(底地)といいます。自用地評価額から借地権を差し引いた分になります。
貸宅地評価額=自用地評価額(1-借地権割合)
貸家建付地
自己所有の貸家を建てた自己所有の土地を貸家建付地といい、借地権割合、借家権割合(全国一律30%)、賃貸割合(貸している床面積割合)を考慮して評価します。
貸家建付地評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
※借地権割合は路線価の末尾にアルファベットA~Gで表記。
【小規模宅地等の評価減の特例】
被相続人の居住地や事業用地は、相続人が居住や事業を続けられるように評価額のうち一定割合が減額されます。これを、小規模宅地等の評価減の特例(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)といいます。
特例を適用するためには(特例を使って計算したら相続税がゼロ円になる場合でも)、相続税の申告が必要です。
特定居住用住宅等
自宅の敷地(被相続人等の居住用宅地)を
①配偶者が相続したもの(被相続人との同居・居住継続・保有の要件なし。第三者への賃貸も可)。
②同居親族が相続したもの(相続税申告期限まで宅地所有、居住継続が必要)
③被相続人に配偶者・同居親族がなく、別居親族が相続したもの(相続税申告期限までの宅地所有が必要)。
・特定事業用宅地等と併用する場合の対象限度面積は330+400=730㎡。
・貸付事業用宅地等と併用する場合は、特例を適用する敷地面積に応じて適用対象面積の調整計算が必要。
評価減の対象となる限度面積330㎡、減額割合80%
特定事業用宅地等
被相続人等の事業用宅地を一定の親族が承継、相続したもの(相続税申告期限まで宅地所有・事業継続が必要)。
評価減の対象となる限度面積400㎡、減額割合80%
貸付事業用宅地等
被相続人等の事業用宅地に使用されていた土地(または借地権)を一定の親族が相続したもの(相続税申告期限まで貸付け・保有継続が必要)。ただし、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等を除く。
評価減の対象となる限度面積200㎡、減額割合50%
特例により減額される金額の計算式
宅地等の評価額×(限度面積÷その宅地等の敷地面積)×減額割合
【建物の評価】
自用家屋
評価額は、固定資産税評価額と同一です。
自用家屋評価額=固定資産税評価額×1.0
貸家
貸家評価額=自用家屋としての評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
【株式の評価】
上場株式の評価額(前々月から当月)
上場株式は、次の①~④のうち最も低い価格で評価します。
①相続開始日の最終価格(死亡した日の最終価格)
②相続開始日の月の毎日の最終価格の月平均額
③相続開始日の前月の毎日の最終価格の月平均額
④相続開始日の前々月の毎日の最終価格の月平均額
非上場株式の評価方式
非上場株式には、会社の規模や相続者によって、次の3つの評価方式があります。
原則的評価方式(同族株主「経営権を握る株主」が持つ株式の評価方式)
類似業種比準方式:上場している類似の企業と比較し、配当・利益・純資産の3つの要素を勘案して決める
純資産価額方式:会社が保有する純資産を発行済株式数で割り、1株当たりの価格とする
特例的評価方式(同族株主以外の株主等が持つ株式の評価方式)
配当還元方式:過去2年間の配当金の平均額から株価を算定する。
【その他の相続財産の評価】
以下の相続財産については、それぞれ、次のように評価します。
ゴルフ会員権
相続が発生した日の、通常の取引価格の70%で算定します。
生命保険契約に関する権利
相続開始時において保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、解約返戻金の額に基づいて評価します。
定期預金
預入額に、利息分を加え、源泉徴収税額を差し引いた額で評価します。
相続が発生した日の基準価額から、解約手数料などを差し引いた額で評価します。
以上が、財産の評価についてでした。財産の評価も各種異なります。人生の中で数回程度しかないため、あまり気にしないと思いますが、気になる方は見てみてくださいね。ここまでがFP3級の範囲内とのこと。FP3級試験は満点を取らないといけませんが、満点を取らないと受からない資格ではありません。そのため、大枠を理解してから詳細を学んでいきましょう!
では、まったり~!