だつりょくまんのブログ

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【お金の話】所得金額の算出 FP3級試験勉強 所得税はどのように計算されているのでしょうか?

 こんにちは、だつりょくまんです。前回は、所得税の基礎知識について、書いてきました。

datsuryokuman.hatenablog.com

 今回は、所得税の算出について、書いていきたいと思います。一緒に勉強を頑張っていきましょう!

【利子所得ー源泉分離課税

 利子所得とは、預貯金の利子、一般公社債の利子などの所得です。利子所得は源泉分離課税の対象で、20.315%が源泉徴収されます。ただし、特定公社債等の利子は、源泉徴収後申告不要、または申告分離課税選ぶことになります。

※一般公社債の利子のうち、2016年1月1日以降に同族会社が発行した私募債で、その同族会社の株主等が支払いを受ける利子や償還金は総合課税。

※20.315%=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%

【配当所得ー総合課税】

 配当所得は、株式の配当金や投資信託(公社債投資信託を除く)の収益分配金などによる所得です。原則として総合課税の対象で、他の所得と合算し、確定申告で税額を精算します。配当所得は、次のように計算します。

配当所得=収入金額ー株式(元本)を取得するための負債利子

 なお、上場株式等の配当金(配当所得)は、20.315%が源泉徴収されます。その後、申告不要制度、総合課税、申告分離課税から選ぶことができます。

【不動産所得ー総合課税】

 不動産所得とは、不動産の貸付けによる所得のことで、総合課税の対象です。

不動産所得=総収入金額ー必要経費(ー青色申告特別控除額)

※総収入金額:家賃、地代、礼金、更新料、借地権料、共益費など。敷金、保証金のうち賃借人に返還を要しない部分。あとに返還するものは総収入金額には含まれない

※必要経費:固定資産税、都市計画税、不動産取得税、修繕費、損害保険料、火災保険料、減価償却費、不動産を取得するための借入金の利子。賃貸不動産を取得するための元金、所得税、住民税は必要経費にはならない。

 なお、不動産貸付は事業的規模で行った場合でも、事業所得ではなく不動産所得となります。事業的規模とは、アパート等では貸与可能な独立した室数が10室以上、独立家屋では5棟以上の貸付けをいいます(5棟10室基準)。事業的規模の場合、青色申告特別控除によって最高65万円が控除できます。

※不動産の売却による収入は、譲渡所得。

【事業所得ー総合課税】

 事業所得は、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他事業による所得で、総合課税の対象です。

事業所得=総収入金額ー必要経費(ー青色申告特別控除額)

 事業所得の「総収入金額」は、すでに手に入った収入ではなく、事業によってその年に確定した売上金額(未収額も含む)のことです。「必要経費」には、売上原価(商品などの仕入れ代金)、給与・賃金、減価償却費、広告宣伝費、家賃、水道・光熱費、固定資産税などが含まれます。

※売上原価:商品の仕入や製造にかかった費用のこと。次の算式により求められる。売上原価=年初(期首)棚卸高+年間仕入高ー年末(期末)棚卸高

減価償却

 事業で使用する機械、建物などの資産は、時の経過や利用によって年々価値が減少します。その減少する価値を帳簿上で減らしていくのが減価償却です。減価償却資産の取得金額は、資産の使用可能期間(耐用年数)の全期間にわたって分割して必要経費になります。

 減価償却の方法は、次のどちらかを選択します。

定額法:毎年同額を減価償却費として計上する方法

定率法:償却残高に一定の償却率を掛けて計上する方法

(定額法)減価償却費=取得価額×定額法償却率×業務供用月数÷12

 どちらかを選択しなかった場合、個人は定額法、法人は定率法となります。ただし、1998年(平成10年)4月1日以降に取得した建物の減価償却はすべて定額法で行います。

 時の経過で価値が減少しない土地や骨とうなどの資産は、減価償却資産に該当しません。

減価償却:「減価」とは価値を減らすこと、「償却」とは消すこと。

【給与所得ー総合課税】

 給与所得とは、会社員やアルバイトが、会社から受け取る給与、賞与、各種手当て、現物給与等をいいます。

 総合課税で、給与等の収入金額が2,000万円超の人、給与所得・退職所得以外の所得が20万円超の人は確定申告が必要です。それ以外の人は、給与支払者(事業主)が源泉徴収によって税金を支払うため確定申告は不要です。

給与所得=給与収入金額ー給与所得控除額(最低55万円)

給与所得控除額

年収 162.5万円以下=給与所得控除額 55万円

年収 162.5万円超180万円以下=給与所得控除額 収入金額×40%ー10万円

年収 180万円超360万円以下=給与所得控除額 収入金額×30%+8万円

年収 360万円超660万円以下=給与所得控除額 収入金額×20%+44万円

年収 660万円超850万円以下=給与所得控除額 収入金額×10%+110万円

年収 850万円超=給与所得控除額 195万円(上限)

 なお、通勤手当(電車・バス通勤者の場合は月15万円が限度)、出張旅費は非課税です。

【退職所得ー分離課税】

 退職所得とは、退職時に勤務先から受け取る退職金などの所得です。

退職所得=(収入金額ー退職所得控除額)÷2

※2022年以後の所得税について、役員等以外の者としての勤続年数が5年以下である者に対する退職手当等のうち、退職所得控除額を控除した残額の300万円を超える部分について、2分の1課税を適用しない。

退職所得控除額

20年以下の場合:40万円×勤続年数(最低控除額80万円)

20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

※勤続年数の1年未満の端数は切り上げて1年とする。障がい者になったことに基因する退職の場合は100万円が加算される。

 退職所得は分離課税です。退職時に退職所得の受給に関する申告書を提出した場合は、源泉徴収で退職所得控除が適用されて課税が終了し、確定申告は不要です。申告書を提出しなかった場合は、退職所得控除が適用されずに収入金額の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)が源泉徴収されますが、確定申告を行うことによって税金の還付を受けることが出来ます。

※退職所得の受給に関する申告書:退職手当の支給を受ける人が会社(退職手当の支払者)に提出する手続き。

【譲渡所得ー総合課税・分離課税】

 譲渡所得とは、書画、骨とう、ゴルフ会員権、不動産、株式などの資産を譲渡(売却)することで生じる所得で、長期譲渡所得(所有期間が5年超)と短期譲渡所得(所有期間が5年以下)に分かれます(土地、建物の場合は、譲渡年の1月1日時点での所有期間)

譲渡所得の計算と課税方法

土地・建物・株式以外の譲渡所得は、総合課税(他の所得と合算)

譲渡所得=総収入金額ー(取得費+譲渡費用)-特別控除額(最高50万円)

長期譲渡所得は、その2分の1の金額を総所得金額へ算入する。

短期譲渡所得は、そのまま全額を総所得金額へ算入する。

土地・建物の譲渡所得は、申告分離課税

譲渡所得=総収入金額ー(取得費+譲渡費用)ー特別控除額

長期譲渡所得に課される税率は20.315%(復興特別所得税0.315%含む)

短期譲渡所得に課される税率は39.63%(復興特別所得税0.63%含む)

株式の譲渡所得は、申告分離課税

譲所得=総収入金額ー(取得費+譲渡費用+負債の利子)

株式の譲渡所得に課される税率は一律20.315%(復興特別所得税0.315%含む)

株式では、長期と短期の区別はない。

※譲渡所得の特別控除には様々な種類があり、各々要件を満たした場合にのみ、控除額が差し引かれる。

 譲渡所得の計算式にある取得費とは、譲渡した資産の購入費や付随費用(仲介手数料・登録免許税・印紙代など)の合計金額をいいます。取得費が不明な場合は、譲渡収入金額の5%相当額を概算取得費とすることが出来ます。

 譲渡費用とは、資産を譲渡する際に直接かかった費用のことで、仲介手数料、広告料、印紙代、古い建物の取壊し費用、借家人の立退料などが含まれます。

 なお、商品を商売で販売して得た所得は事業所得、山林の売却で得た所得は山林所得となります。

【一時所得ー総合課税】

 一時所得とは、懸賞金付預貯金の懸賞金、競馬・競輪などの払戻金、生命保険の満期保険金や解約返戻金、損害保険の満期返戻金などをいいます。

一時所得=総収入金額ー収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円)

 一時所得は、総合課税で確定申告が必要です。その際、一時所得金額の2分の1だけを総所得金額へ算入します。

【山林所得ー分離課税】

 山林(所有期間5年超)の伐採や、立木のまま譲渡した場合に生じる所得を山林所得といいます。課税方法は、分離課税で確定申告が必要です。

山林所得=総収入金額ー必要経費ー特別控除額(最高50万円)

※山林所得の青色申告者は、必要経費のほかに最高10万円を青色申告特別控除額として控除することができる。

【雑所得ー総合課税】

 雑所得とは、他のいずれの所得にも該当しない所得です。

公的年金等の雑所得:国民年金、厚生年金、国民年金基金厚生年金基金確定拠出年金等の年金

公的年金等以外の雑所得:講演料、作家以外の者が受け取る原稿料・印税、生命保険などの個人年金、暗号資産での所得

 雑所得は、公的年金等とそれ以外の所得に分けて計算し、それを合算します。公的年金等に係る雑所得は、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除して算出します。

雑所得=(公的年金等の収入金額ー公的年金等控除額)+(総収入金額ー必要経費)

 公的年金控除額は次の規定に従って算出します。雑所得は、総合課税で確定申告が必要です。

※給与所得者は、暗号資産(仮想通貨)取引による所得が20万円を超えていた場合、雑所得として確定申告が必要。

公的年金等に係る雑所得

65歳未満の者

公的年金等の収入金額:130万円未満 → 公的年金等控除額:60万円

公的年金等の収入金額:130万円以上410万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×25%+27.5万円

公的年金等の収入金額:410万円以上770万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×15%+68.5万円

公的年金等の収入金額:770万円以上1,000万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×5%+145.5万円

公的年金等の収入金額:1,000万円以上 → 公的年金等控除額:195.5万円

65歳以上の者

公的年金等の収入金額:330万円未満 → 公的年金等控除額:110万円

公的年金等の収入金額:330万円以上410万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×25%+27.5万円

公的年金等の収入金額:410万円以上770万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×15%+68.5万円

公的年金等の収入金額:770万円以上1,000万円未満 → 公的年金等控除額:収入金額×5%+145.5万円

公的年金等の収入金額:1,000万円以上 → 公的年金等控除額:195.5万円

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合の控除額。また、年齢の判定は12月31日時点。

 

 以上が、所得金額の算出についてでした。所得金額を算出する際の計算方法がたくさんあることに驚きました。事業をしている方はどのお金がどの所得に入るかをしっかりと計算し、漏れのないように、そして無駄な税金を払わないように知識を身に着けておきましょう。

 

 では、まったり~!